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【2025年度|診療看護師資格認定試験】共通問題を紐解く④

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医療の知識
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はじめに

これまでの問題では、医療倫理や制度、医療安全といった“医療を支える枠組み”が中心でしたが、このブロックでは一転して、精神・内分泌・救急・腎臓・神経といった臨床各領域の知識と判断力が問われています。

いずれも単発の知識問題に見えますが、実際には

  • 症状から病態を捉える力

  • 生理学的変化を理解する力

  • ショックの分類や原因を整理する力

といった、臨床での“瞬時の判断”につながる基礎力が試されています。

本記事では、それぞれの問題を単なる知識としてではなく、「なぜそうなるのか」「臨床ではどう使うのか」という視点で整理しながら解説していきます。

問題16:精神医学(適応障害の本質)

適応障害でみられやすい症状はどれか。
a.フラッシュバック
b.記銘力障害
c.抑うつ気分
d.妄想知覚
e.広場恐怖

解説

適応障害とは、明確なストレス因子に対する過剰反応です。

特徴は:

  • ストレス因子が存在

  • それに対して情動・行動が不適応

  • ストレスが軽減すれば改善

主症状として多いのが、抑うつ気分・不安・意欲低下

したがって c が正解。

他の選択肢の本質:

  • a:フラッシュバック → PTSD

  • b:記銘力障害 → 認知症・せん妄

  • d:妄想知覚 → 統合失調症

  • e:広場恐怖 → パニック障害

診療看護師に求められる視点

「疾患」のみではなく「背景」を見る力

適応障害は、病気というより“反応”です。

つまり、

「何がこの人をこうさせているのか?」を考えないと診断できません。

診療看護師は、心理社会的要因を含めて評価できるかが問われています。


問題17:周産期生理(妊娠とインスリン抵抗性)

妊娠中期から後期にかけての糖代謝の変化として正しいのはどれか。
a.空腹時血糖は上昇する
b.HOMA-IRは低下する
c.インスリン分泌は低下する
d.Cペプチドは低下する
e.インスリン抵抗性は上昇する

解説

妊娠中期〜後期にかけて、インスリン抵抗性は上昇する

これは胎児に十分な栄養(特にグルコース)を供給するための生理的変化です。

メカニズム:

  • 胎盤ホルモン(hPLなど)
    → インスリン作用を抑制
    → 母体血糖を上昇方向へ

その結果:

  • インスリン分泌 ↑

  • Cペプチド ↑

  • HOMA-IR ↑(抵抗性上昇)

したがって:

e:正しい

b・c・d:すべて逆方向で誤り

診療看護師に求められる視点

「正常変化」と「異常」の境界を理解する力

この生理的変化が過剰になると、妊娠糖尿病になります。

つまりこの問題は、

「病気を知っているか」ではなく「病気になる前の状態を理解しているか」

を問いています。


問題18:ショックの分類(閉塞性ショック)

閉塞性ショックに分類されるのはどれか。
a.子宮破裂
b.子宮内反症
c.肺血栓塞栓症
d.常位胎盤早期剥離
e.前置胎盤

解説

ショックは大きく4つ:

  1. 循環血液量減少性

  2. 心原性

  3. 分布異常性

  4. 閉塞性

閉塞性ショックとは、簡単に言うと、血流が物理的に妨げられる状態

代表例:

  • 肺血栓塞栓症

  • 心タンポナーデ

  • 緊張性気胸

したがって、

 c:肺血栓塞栓症 → 正解

他はすべて出血系:

  • 子宮破裂

  • 胎盤剥離
    → 循環血液量減少性ショック

診療看護師に求められる視点

「ショック=血圧低下」ではない

重要なのは、「なぜ血圧が下がっているのか」です。

  • 血が足りないのか

  • ポンプが悪いのか

  • 流れが止まっているのか

原因で治療は180度変わるります。

この分類思考ができるかが問われています。


問題19:腎障害(高血圧と腎硬化症)

腎硬化症の原因として最も適切なのはどれか。
a.ANCA関連血管炎
b.Sjögren症候群
c.高尿酸血症
d.糖尿病
e.高血圧症

解説

腎硬化症とは、長期高血圧による腎血管障害です。

メカニズム:

  • 持続的な高血圧
    → 細動脈硬化
    → 腎血流低下
    → 糸球体障害

 徐々に進行する慢性腎障害

他の選択肢:

a:ANCA → 血管炎

b:Sjögren → 間質性腎炎

c:高尿酸 → 二次的要因

d:糖尿病 → 糖尿病性腎症

診療看護師に求められる視点

「原因疾患を切り分ける力」

腎障害は、原因でマネジメントが全く異なる

  • 糖尿病 → 血糖管理

  • 高血圧 → 血圧管理

つまり、

「腎機能が悪い」ではなく「なぜ悪いか」を言語化できるか が重要です。


問題20:神経内科(Alzheimer型認知症の特徴)

Alzheimer型認知症に特徴的に認められる症候はどれか。
a.錐体路徴候
b.錐体外路徴候
c.常同行動
d.失行
e.運動失調

解説

Alzheimer型認知症の本質は、大脳皮質(特に側頭・頭頂葉)の障害

その結果として出るのが、

  • 記憶障害

  • 失語

  • 失認

  • 失行

👉 d:正解

他の選択肢:

a:錐体路 → 脳血管障害

b:錐体外路 → パーキンソン病

c:常同行動 → 前頭側頭型認知症

e:運動失調 → 小脳障害

診療看護師に求められる視点

「どの脳が障害されているか」を考える力

認知症は丸暗記すると崩れます。

重要なのは、

「部位 × 症状」

  • 前頭葉 → 行動異常

  • 側頭葉 → 記憶

  • 小脳 → 運動

 症状から逆算する

この思考ができれば、鑑別が一気に楽になります。

まとめ

今回問われてたのは、「知識を瞬時に統合する力」

  • 精神(背景を見る)

  • 代謝(生理を理解)

  • ショック(分類思考)

  • 腎臓(原因特定)

  • 神経(部位診断)

この問題群は、“初見でも解けるか”が試されているのが特徴です。

つまり、

  • 暗記 → 通用しない

  • 理解 → 解ける

診療看護師は「暗記<考える 職種」です。


過去問について

今回紹介したのは共通問題から5問を抜粋したものです。

試験では、

  • より実践的な臨床問題

  • 「迷わせる選択肢」
    が多数出題されていました。

「どこが問われるのか」を知ることが最大の対策です

この度、共通問題、総合問題の全問再現をまとめた資料を作成しました。

今後受験する人に役立てればと作成していますので興味がある方はnoteの【2025年度】診療看護師認定試験問題完全再現をぜひチェックしてみてください。

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