アルコールインクアートは気軽に始められる上にデザイン性も高い為、近年人気のアートです。
SNSや体験教室など目にする機会も多いと思います。
しかし、アートや芸術と聞くとハードルが高いと感じる方も多いのではないでしょうか。
「アートは自由だ」と言われても、私自身芸術に触れずに育ってきたため、
- 「絵が苦手だし…」
- 「センスないし…」
- 「何からしたらいいかわからないし…」
- 「画材そろえるのも大変そう…」
というような思いを抱いていましたが、製作を始めて1ヶ月経たずして作品の販売にまで至ることができました。今回は、それらの経験を踏まえた、アルコールインクアートの基本的な知識や魅力から私自身が実際に使用している画材まで紹介していきます。
アルコールインクアートに興味がある方や、これから本格的に始めていきたいといった思いを抱えている方の参考になれば幸いです。
アルコールインクアートとは
アルコールインクアートは枠にとらわれない自由なアートです。アルコールを用いてインクを流動させ偶然が作り出す一期一会で唯一無二のアートとも言えます。
厳密には、アルコールとインクなどといった2種類以上の素材や技法を組み合わせてできるミクストメディアアートの1種とされています。また、風やインクの流れを用いた流動的なアートであることから、主に海外ではフルイッドアートとも呼ばれています。有名な例を挙げるとレジンアートもその1種です。フルイッドアートはそれそれを組み合わせたときの相性も良く、アルコールインクアートにレジンコーティングを施して作品を作り上げるアーティストも多くいます。
用意する基本画材
アルコールインクアートを制作する際に必要となるものはたった4つです。
- インク
- アルコール
- 用紙
- ドライヤー
どれも安価ですぐに購入できるものばかりですので気軽に始めることができます。画材の特徴も踏まえて紹介していきます。
インク
アルコールインクアートに適したインクには大きく分けて顔料と染料の2種類があります。後ほど詳しく説明しますが、インクは紫外線や蛍光灯などの光に長時間当たっていると褪色と呼ばれる色味の変化が起こることがあります。
顔料 | 染料 | ||
顔料は耐光性があり色持ちがいいですが、染料に比べると色の種類が少なくマットな質感の色味のため鮮やかな発色が好きな方は少し物足りなさを感じるかと思います。
一方、染料は光に弱いものの多彩なカラーと鮮やかさには他に引けをとりません。後ほど紹介するUVカットのスプレーやコーティングによって弱点である褪色のしやすさを補うこともできます。
個人的におすすめなのはコピックとピニャータの組み合わせです。
コピックはなんと358色という豊富な選択肢があるため、好みの色が見つかる上に、日本のメーカーなので、海外から取寄せたりする手間や送料も高くないのでオススメです。画材屋さんや品揃えが豊富な文房具屋でも入手できますし、Amazonや楽天でも購入が可能です。
しかし、コピックにはゴールドやシルバーなどのメタリック系インクがありません。そこで、海外製の Pinata(ピニャータ)のインクをお勧めします。海外製でありながらAmazonや楽天市場でも購入でき値段もそれほど高くないです。ちなみにピニャータのメタリック系の中ではゴールドとオパールがお勧めです。ゴールドは一気に作品に深みと華やかさを与えてくれますし、オパールは見る角度や光の程度によって様々な色になるのでぜひ試してみてください。
用紙
アルコールインクアートにおいて用紙選びはとても大切です。
基本的には合成紙を使用して描いていきます。アルコールやインクなどの水分を適度に弾いてくれるものが綺麗にインクが広がります。
個人的におすすめの用紙はユポ紙とレザーピーチです。
ユポ紙はアルコールインクアートをやったことがある人は必ずと言っていいほど聞いたことのある定番の用紙だと思います。ポリプロピレン樹脂で作られた合成紙ではありますが素材感が柔らかくインクの発色も滑らかですので滲むようなニュアンス系のデザインが描きやすいかと思います。
対してレザーピーチは表面に樹脂を用いたコーティングが施された耐水性の合成紙です。コーティングのおかげでインクが滲み辛くはっきりとしたラインが出やすく、白地もクリアなためインクの発色もいいです。個人的にはこっちの方が好きですが、ユポ紙に比べると少しお値段が張ります。
その他にもアルコールインクアートように開発された用紙もいくつかありますし、紙以外にもタイルやガラス、プラスチックなど他の素材にも直接アートが可能ですので可能性が広がりますね。
アルコール
アルコールはエタノール濃度が高い方がインクの広がりがよく線も綺麗に出やすいです。これも基本的には2つを使い分けている人が多いです。
1つは無水エタノールです。原材料が植物で毒性もなくドラッグストアでも購入できます。柔らかいニュアンスのアートが描きやすいです。
もう一つがIPA(イソプロピルアルコール)です。溶剤やマーカーの除去に使用される有毒性のアルコールです。揮発した空気を吸い続けたり飲み込んだりすると全身の臓器や神経系に害であり取り扱う際は防毒マスクを使うことをお勧めします。無水エタノールよりもアルコール濃度が高いためすっきりとした細かいラインを出しやすく人気のアルコールです。
スポイト
スポイトはアルコールを紙に垂らすときに使います。
100円均一のスポイトでもアートはできますが、小さいためアルコールを少量しか吸い上げることができません。そのため下記のようなスポイトの購入をお勧めします。
人によって好みが変わってくるので、ご自身が使いやすいものを見つけてみてくださいね。
ドライヤー
ドライヤーはアルコールインクとアルコールを滲ませ、広げるときに使います。
ご自宅にあるドライヤーを使用する場合は、アヒル口のフード部分がついているものは取り外して熱風が均等に紙に当たるようにして使用してください。
また、ドライヤーの代わりに、ストローで代用したり、息を吹きかけるだけでもインクは滲みながら綺麗に広がるので、試してみてもいいかもしれませんが大きな作品を制作する時にはドライヤーは必須かと思います。
私は普段制作をする際は下記のドライヤーを使用しています。
おわりに
いかがだったでしょうか。
以上が、アルコールインクアートを始めるために必要な最低限の道具になります。
やっていくうちにこんなものあったらいいのにと言ったものも増えていくと思いますので、そのようなものは徐々に増やしていくのが経済的にもいいかなと思います。
アルコールインクアートは偶然できる模様や色を重ねて描く自由なアートです。あなただけのオリジナルなアートお楽しみください。
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