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【2025年度|診療看護師資格認定試験No.14】総合問題の予想解答と解説

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医療の知識
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  1. はじめに
  2. 問題6:熱傷初期輸液
    1. 解説
      1. ◆なぜ乳酸リンゲル液なのか
      2. ◆なぜブドウ糖液ではないのか
      3. ◆熱傷初期診療で重要なのは「皮膚」ではなく「循環」
    2. 選択肢の検討
      1. ◆熱傷初期輸液の基本 ― Baxter(Parkland)法
      2. ◆なぜ最初の8時間で半量を投与するのか
      3. ◆Baxter法はあくまで「出発点」
      4. ◆小児では熱傷面積評価が成人と異なる
      5. ◆熱傷の深達度
        1. I度熱傷
        2. II度熱傷
        3. III度熱傷
      6. ◆気道熱傷を見逃してはいけない
      7. ◆熱傷患者で尿量管理が重要な理由
    3. 診療看護師としての視点
  3. 問題7:高齢者総合機能評価(CGA)
    1. 解説
    2. 選択肢の検討
      1. ◆CGA(高齢者総合機能評価)とは
      2. ◆ADLとIADLの違い
        1. ADLとは生きるための基本動作
        2. IADLとは社会生活を送るための応用動作
      3. ◆高齢者うつ病は認知症に見える
      4. ◆高齢者の独居は重要なリスク因子
      5. ◆フレイルの入り口は「入浴が大変」
    3. 診療看護師としての視点
  4. 問題8:敗血症性ショック ― 「輸液しても血圧が上がらない」
    1. 解説
      1. ◆なぜ血圧が下がるのか
      2. ◆第一選択はノルアドレナリン
      3. ◆薬だけでは終わらない
    2. 選択肢の検討
      1. ◆Charcot三徴とReynolds五徴
        1. Charcot三徴
        2. Reynolds五徴
      2. ◆敗血症性ショックの定義
      3. ◆敗血症初期治療バンドル
      4. ◆ノルアドレナリンが第一選択になった理由
      5. ◆敗血症で本当に見ているのは血圧ではない
    3. 診療看護師としての視点
  5. 問題9:小児脱水評価 ― 「血圧が下がる前に異常を見抜けるか」
    1. 解説
      1. ◆CRTは末梢循環の指標
      2. ◆体重変化は最も正確な脱水評価
    2. 選択肢の検討
      1. ◆小児脱水重症度の目安
      2. ◆小児ショックの進行は突然起こる
      3. ◆Gorelickスコア
      4. ◆皮膚ツルゴールとは
      5. ◆経口補水療法(ORT)の重要性
    3. 診療看護師としての視点
  6. 問題10:ALS(筋萎縮性側索硬化症)
    1. 解説
      1. ◆fasciculationとは何か
      2. ◆Babinski反射が陽性になる理由
    2. 選択肢の検討
      1. ◆ALSは「上位」と「下位」の両方が障害される
        1. 上位運動ニューロン障害
        2. 下位運動ニューロン障害
      2. ◆ALSで障害されにくいもの
      3. ◆鑑別が重要なALS mimic
      4. ◆ALSの呼吸不全は死因に直結する
      5. ◆ALS治療の現状
    3. 診療看護師としての視点
  7. まとめ
  8. 総括
  9. 過去問について

はじめに

ここからは総合問題6〜10の解説に入ります。

前回の総合問題では、身体診察や画像所見から病態を推測する力が主に問われていましたが、今回の問題群ではさらに一歩進み、「重症度を評価し、その場で何を優先して行うべきか」という臨床判断能力が強く求められています。

熱傷に対する初期輸液、敗血症性ショックへの昇圧薬選択、小児脱水の重症度評価などは、知識として知っているだけでは不十分です。患者の状態を短時間で評価し、生命予後を左右する介入を適切なタイミングで実施できるかが問われています。

また、高齢者診療における包括的機能評価(CGA)や、神経疾患における上位運動ニューロン徴候・下位運動ニューロン徴候の統合的理解など、診療看護師として患者を全人的に捉える視点も重要なテーマとなっています。

今回の5問は領域こそ異なりますが、

  • 重症度をどう評価するか
  • 優先順位をどう判断するか
  • 病態から適切な治療へどう結び付けるか

という臨床推論の基本原則が共通して流れています。

単なる知識の暗記ではなく、「なぜその対応が必要なのか」を病態生理から理解しながら整理していきましょう。

問題6:熱傷初期輸液

5歳男児。自宅で前胸部および腹部に熱湯を浴び,発赤と水疱形成を認め救急搬送された。診察の結果,Ⅱ度およびⅢ度熱傷と診断された。初期対応として輸液療法を開始することとした。

この患児に投与すべき輸液として最も適切なのはどれか。

a.5%ブドウ糖液
b.乳酸リンゲル液
c.高カロリー輸液
d.3号輸液
e.2号輸液

解説

この問題の本質は、「重症熱傷でなぜ大量輸液が必要になるのか」を理解しているかです。

熱傷では皮膚が傷害されるだけではありません。

熱傷部位では炎症性サイトカインが大量に放出され、毛細血管透過性が著しく亢進します。

すると本来血管内に存在するはずの水分や蛋白が血管外へ漏出し、循環血液量の減少が生じます。

つまり熱傷患者では、「脱水している」のではなく「血管の中の水が外へ逃げている」状態なのです。

このため初期治療では迅速な循環血液量の補充が必要になります。

その際に用いられる標準的輸液が乳酸リンゲル液です。

◆なぜ乳酸リンゲル液なのか

熱傷初期に失われるのは主に細胞外液です。

乳酸リンゲル液は細胞外液組成に近く、

  • ナトリウム
  • クロール
  • カリウム
  • カルシウム

を適切なバランスで含んでいます。

そのため血管内容量維持に適しており、

世界的にも熱傷初期輸液の第一選択として使用されています。

◆なぜブドウ糖液ではないのか

熱傷直後に必要なのはエネルギーではなく循環維持です。

5%ブドウ糖液は体内で速やかに自由水となり、

血管内にほとんど留まりません。

そのためショック予防には不適切です。

◆熱傷初期診療で重要なのは「皮膚」ではなく「循環」

熱傷というと皮膚の損傷ばかりに目が向きがちですが、重症熱傷で最初に命を奪うのは、感染ではなく循環不全です。

実際には、ABC評価

  • Airway
  • Breathing
  • Circulation

を優先し、循環管理を行いながら熱傷面積評価へ進みます。

選択肢の検討

a.5%ブドウ糖液
→ 自由水負荷となり血管内容量維持に不向き。

b.乳酸リンゲル液
→ 正解。熱傷初期輸液の第一選択。

c.高カロリー輸液
→ 初期治療では不要。中心静脈管理も必要となる。

d.3号輸液
→ 維持輸液でありショック対応には不十分。

e.2号輸液
→ 電解質補給目的であり熱傷初期蘇生には適さない。

◆熱傷初期輸液の基本 ― Baxter(Parkland)法

重症熱傷では毛細血管透過性が亢進し、大量の血漿成分が血管外へ漏出するため、早期から適切な輸液蘇生が必要となります。

熱傷初期輸液量の計算には、現在でも広く Baxter法(Parkland Formula) が用いられています。

ここでいう熱傷面積とは、Ⅱ度熱傷面積(%)+Ⅲ度熱傷面積(%)で計算し、Ⅰ度熱傷は含めません。

国家試験では、Burn Index(BI)との混同がよく出題されます。

Burn Indexは、

であり、重症度評価に用いる指標であって、輸液量計算には使用しません。

例えば、

  • 体重50kg
  • 熱傷面積20%

の場合、

4 × 50 × 20 = 4000mL

となります。

この4000mLの乳酸リンゲル液を、

  • 最初の8時間で2000mL
  • 次の16時間で2000mL

投与します。

ここで重要なのは、

「最初の8時間」は来院時ではなく受傷時から数える

という点です。

受傷後2時間で搬送された場合には、最初の2000mLを残り6時間で投与する必要があります。

◆なぜ最初の8時間で半量を投与するのか

熱傷受傷後の早期は、炎症性サイトカインの放出によって毛細血管透過性が著しく亢進します。

その結果、

  • 血漿漏出
  • 血管内容量減少
  • 熱傷性ショック

が急速に進行します。

特に受傷後8時間以内が最も血管内水分喪失が大きい時期であり、このため初期に多くの輸液が必要となります。

◆Baxter法はあくまで「出発点」

実際の臨床では、計算式どおりに輸液するだけでは不十分です。

以下のような症例では、さらに多くの輸液が必要になることがあります。

  • 気道熱傷
  • 電撃傷
  • 深達性熱傷
  • 多発外傷合併
  • アルコール依存症患者
  • 乳幼児

また逆に、心機能や腎機能に問題がある場合は輸液過剰による肺水腫にも注意が必要です。

そのため実際には、

  • 血圧
  • 心拍数
  • 尿量
  • 電解質
  • 乳酸値
  • 末梢循環

を評価しながら輸液量を調整します。

特に尿量は重要で、

  • 成人:0.5〜1.0mL/kg/時以上
  • 小児:1mL/kg/時以上

を目標に管理します。

◆小児では熱傷面積評価が成人と異なる

成人ではRule of Nines(9の法則)を用います。

しかし小児では頭部が大きく下肢が小さいため、Lund-Browder chartを用いて評価します。

小児熱傷では熱傷面積の過小評価が致命的になることがあります。

◆熱傷の深達度

熱傷深達度

Smith Nephew 浅いやけどと深いやけど より引用

I度熱傷
  • 表皮のみ
  • 発赤
  • 水疱なし

例:日焼け

II度熱傷
  • 真皮まで
  • 水疱形成
  • 強い疼痛
III度熱傷
  • 皮膚全層壊死
  • 白色〜黒色
  • 知覚低下

深くなるほど痛みが強いと思われがちですが、

III度熱傷では神経終末が破壊され痛みが減弱することがあります。

◆気道熱傷を見逃してはいけない

熱傷患者で最も危険なのは、実は皮膚熱傷ではなく気道熱傷です。

以下があれば要注意です。

  • 顔面熱傷
  • 鼻毛焼失
  • 嗄声
  • 口腔内煤付着
  • 喘鳴

気道浮腫は数時間で急激に悪化するため、早期挿管が必要になることがあります。

◆熱傷患者で尿量管理が重要な理由

熱傷蘇生の目標は、単に輸液量を入れることではありません。

適切な循環を維持することです。そのため重要なのが尿量です。

小児では 1 mL/kg/hr以上 が目安になります。

尿量は熱傷蘇生の最重要モニタリング指標の一つです。

診療看護師としての視点

この問題は輸液製剤を選ぶ問題に見えますが、本当に問われているのは「熱傷患者をショック患者として評価できるか」です。

診療看護師が熱傷患者を診る際には、以下を同時に評価する必要があります。

  • 熱傷深度
  • 熱傷面積
  • 気道熱傷の有無
  • 循環状態
  • 尿量
  • 疼痛

さらに重要なのは、「熱傷面積が広い=重症」ではなく、「今後ショックへ進行する可能性があるか」を先読みすることです。

実際の救急現場では、皮膚所見よりも先に循環不全が問題になります。

そのため診療看護師には、熱傷を皮膚疾患としてではなく、全身性炎症反応による循環障害として捉える視点が求められます。

問題7:高齢者総合機能評価(CGA)

78歳女性。独居。最近「1人で入浴するのが困難になってきた」と家族に相談し受診した。外来で以下の問診を行った。

NP:「これから3つの言葉を言いますので復唱してください。猫、桜、電車。」

PT:「猫、桜、電車。」

NP:「普段の日常生活で困ったことはありませんか?」

PT:「ないです。」

NP:「買い物はご自身で行けていますか?」

PT:「近所の人が助けてくれる」

NP:「近所の方との交流はありますか?」

PT:「はい。」

NP:「先ほど覚えてもらった言葉は何でしたか?」

PT:「猫、桜、電車。」

この時点で患者へ確認できていないものはどれか。

a.基本的日常生活動作(ADL)
b.手段的日常生活動作(IADL)
c.認知機能
d.介護者の有無(社会的支援)
e.抑うつ状態

解説

この問題は高齢者診療で極めて重要なCGA(Comprehensive Geriatric Assessment:高齢者総合機能評価)を理解しているかを問う問題です。

一見すると認知症の問題に見えますが、本質は違います。

問われているのは、「高齢者を診る際に、身体機能・認知機能・社会背景・精神状態を漏れなく評価できるか」です。

選択肢の検討

a.基本的日常生活動作(ADL)
→ 入浴困難という訴えから評価できている。

b.手段的日常生活動作(IADL)
→ 買い物について確認している。

c.認知機能
→ 三語記銘・遅延再生で評価している。

d.介護者の有無(社会的支援)
→ 近所の人による支援状況を確認している。

e.抑うつ状態
→ 評価されていないため正解。

◆CGA(高齢者総合機能評価)とは

高齢者診療では病気だけを診ても不十分です。

評価すべきは大きく4つあります。

  • 身体機能
  • 認知機能
  • 精神心理機能
  • 社会環境

今回の問題はまさにこの考え方そのものです。

高齢者医療では、「病名」よりも「どの程度生活できるか」が重要になることが少なくありません。

◆ADLとIADLの違い

国家試験でも頻出です。

ADLとは生きるための基本動作
  • 食事
  • 更衣
  • 排泄
  • 入浴
  • 移動
IADLとは社会生活を送るための応用動作
  • 買い物
  • 料理
  • 洗濯
  • 金銭管理
  • 服薬管理
  • 電話利用

認知症ではADLより先にIADLが障害されることが多いです。

◆高齢者うつ病は認知症に見える

高齢者では

  • 元気がない
  • 反応が遅い
  • 物忘れが増えた

という訴えで受診することがあります。

実はこれが認知症ではなく、うつ病であることがあります。

これを仮性認知症(pseudodementia)と呼びます。

そのため高齢者診療では認知機能評価だけでは不十分で、必ず抑うつ評価も必要になります。

◆高齢者の独居は重要なリスク因子

この問題で見逃してはいけないのが「独居」です。

独居高齢者では

  • 服薬管理不良
  • 栄養障害
  • 孤立
  • フレイル
  • 認知症進行

のリスクが高くなります。

病気だけでなく生活環境評価も重要になります。

◆フレイルの入り口は「入浴が大変」

高齢者診療でよくあるのが、「歩けない」ではなく「お風呂が面倒になった」から始まる機能低下です。

入浴は

  • 筋力
  • バランス能力
  • 認知機能

を総動員する動作です。

実はADL低下の初期サインとして非常に重要です。

診療看護師としての視点

この問題は単なる高齢者評価の知識問題ではありません。

診療看護師に求められるのは、病気を診るのではなく生活を診る視点です。

例えば外来で「最近お風呂が大変」という訴えを聞いたとき、

単に筋力低下として捉えるのではなく、

  • フレイルが始まっていないか
  • 認知機能低下はないか
  • うつ状態ではないか
  • 社会的孤立はないか
  • 介護サービスが必要ではないか

まで考える必要があります。

また今回の問題で最も重要なのは、認知機能もADLも評価しているにもかかわらず、精神心理面(抑うつ評価)が抜けていることに気付けるかです。

高齢者診療では検査値や画像だけでは患者の全体像は見えません。

診療看護師には、身体機能・認知機能・社会背景・精神状態を統合して評価し、「この患者がこれからも地域で生活できるか」という視点で介入する力が求められています。

この問題はまさに、高齢者医療の本質である「全人的評価」の重要性を問う良問と言えるでしょう。

問題8:敗血症性ショック ― 「輸液しても血圧が上がらない」

75歳女性。発熱と腹痛を主訴に来院。2日前から右季肋部痛と発熱を認め,本日意識レベル低下を伴い搬送された。
バイタル:体温40℃,血圧72/52 mmHg,脈拍120/分,SpO₂ 90%
身体所見:眼球結膜黄染,右季肋部圧痛
血液検査:WBC 18,000/μL,CRP 22 mg/dL,T-Bil 5.8 mg/dL,γ-GTP 420 IU/L
急性胆道感染症による敗血症性ショックと判断し,輸液負荷(生理食塩水1000 mL)を行ったが血圧は改善しなかった。
この時点で投与すべき薬剤はどれか。

a.レボドパ
b.ノルアドレナリン
c.硫酸アトロピン
d.イソプロテレノール
e.プロプラノロール

解説

この問題の本質は、「敗血症性ショックの初期対応を理解しているか」にあります。

患者は、

  • 高熱
  • 黄疸
  • 右季肋部痛

を認めています。

これは典型的なCharcot三徴です。

さらに、意識障害、血圧72/52 mmHgが加わっています。

つまり、Reynolds五徴を満たしており、重症急性胆管炎による敗血症性ショックと判断できます。

◆なぜ血圧が下がるのか

敗血症性ショックでは細菌や炎症性サイトカインの影響により、全身の血管が異常に拡張します。

その結果、

  • 血管抵抗低下
  • 相対的循環血液量不足
  • 組織低灌流

が生じます。

つまり、血液が足りないのではなく「血管が広がりすぎている状態」です。

そのためまず輸液を行います。しかし今回、1000mL輸液後も血圧が改善しないと記載されています。

この時点で必要なのは、さらなる輸液ではなく昇圧薬(vasopressor)です。

◆第一選択はノルアドレナリン

現在の敗血症診療ガイドラインでは、輸液後も低血圧が持続する敗血症性ショックに対する第一選択昇圧薬はノルアドレナリンです。

ノルアドレナリンは主にα₁受容体を刺激し、

  • 末梢血管収縮
  • 血管抵抗上昇
  • 平均動脈圧上昇

をもたらします。

敗血症性ショックではまずノルアドレナリンを開始し、MAP(平均動脈圧)65mmHg以上を目標に管理します。

◆薬だけでは終わらない

ここで忘れてはいけないのが、ノルアドレナリンは原因治療ではないということです。

この患者の原因は胆道閉塞を伴う重症胆管炎です。

したがって、

  • 広域抗菌薬
  • ERCPによる胆道ドレナージ

が生命予後を左右します。

敗血症診療では、昇圧薬よりもむしろ感染源コントロール(source control)が重要になります。

選択肢の検討

a.レボドパ
→ パーキンソン病治療薬であり適応外。

b.ノルアドレナリン
→ 正解。敗血症性ショックの第一選択昇圧薬。

c.硫酸アトロピン
→ 徐脈に使用する薬剤であり本症例では適応なし。

d.イソプロテレノール
→ 徐脈性不整脈などに使用されるが第一選択ではない。

e.プロプラノロール
→ β遮断薬でありショックを悪化させる可能性がある。

◆Charcot三徴とReynolds五徴

急性胆管炎で最重要の身体所見です。

Charcot三徴
  • 発熱
  • 黄疸
  • 右季肋部痛
Reynolds五徴

Charcot三徴に加えて下記を認める状態です。

  • 意識障害
  • ショック

Reynolds五徴は重症胆管炎のサインであり緊急ドレナージを要します。

国家試験でも頻出です。

◆敗血症性ショックの定義

Sepsis-3では、敗血症性ショックは

十分な輸液後も昇圧薬を必要とし、MAP65mmHg以上を維持するために血管作動薬が必要な状態

とされています。

つまり今回の症例は、まさに典型例です。

◆敗血症初期治療バンドル

敗血症を疑ったら最初の1時間以内に行うべき対応があります。

  • 血液培養採取
  • 乳酸測定
  • 広域抗菌薬投与
  • 迅速輸液
  • 昇圧薬開始(必要時)

これをSepsis Bundleと呼びます。

「まず抗菌薬」ではなく、抗菌薬と蘇生を同時進行で行うことが重要です。

◆ノルアドレナリンが第一選択になった理由

以前はドパミンが広く使われていました。

しかし研究により、ドパミンは

  • 頻脈
  • 不整脈
  • 死亡率増加

との関連が示されました。

その結果、現在はノルアドレナリンが第一選択となっています。

臨床現場ではICUでも救急外来でもほぼ標準です。

◆敗血症で本当に見ているのは血圧ではない

ショック管理では血圧に目が行きがちです。

しかし本当に重要なのは組織灌流です。

そのため、

  • 尿量
  • 乳酸値
  • 意識状態
  • 末梢冷感
  • CRT(毛細血管再充満時間)

を総合的に評価します。

血圧だけ正常でもショックが進行していることがあります。

診療看護師としての視点

この問題は「敗血症性ショックならノルアドレナリン」という暗記問題ではありません。

診療看護師に求められるのは、「輸液が効いていない」という事実から次の一手を即座に考える力です。

実臨床では、「とりあえずもう500mL追加して様子を見る」という判断が患者を悪化させることがあります。

重要なのは、

  • ショックの種類は何か
  • 十分な輸液は行われたか
  • 今必要なのは昇圧か
  • 感染源コントロールはできているか

を常に考えることです。

さらに本症例では、ノルアドレナリン投与だけで満足してはいけません。

胆管炎による敗血症性ショックの根本治療は、ERCPによる胆道ドレナージです。

診療看護師には、「血圧を上げる」だけではなく、患者を救命するために今何が最優先かを見抜く視点が求められています。

この問題は、敗血症診療の核心である「蘇生・昇圧・感染源コントロールを同時に進める思考」を問う非常に実践的な問題と言えるでしょう。

 

過去問について

今回紹介したのは共通問題から5問を抜粋したものです。

試験では、

  • より実践的な臨床問題

  • 「迷わせる選択肢」
    が多数出題されていました。

「どこが問われるのか」を知ることが最大の対策です

この度、共通問題、総合問題の全問再現をまとめた資料を作成しました。

今後受験する人に役立てればと作成していますので興味がある方は【2025年度】診療看護師(NP)認定試験問題完全再現をぜひチェックしてみてください。

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