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【2025年度】診療看護師資格認定試験を徹底解説|共通問題1〜5を紐解く

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医療の知識
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はじめに

2025年度の診療看護師資格認定試験を受験し、その記憶が鮮明なうちに試験内容をまとめることにしました。

これまでnoteに投稿してきた大学院入試や進級試験に関する記事には、多くの方から反響をいただき、「実際にどのような思考が求められているのかが分かる」という声を多く頂戴しました。今回の資格認定試験においても、その延長線上にあるような、“知識の量”ではなく“臨床でどう考えるか”が一貫して問われていることを強く実感しています。

実際に出題された問題を振り返ると、様々な領域を横断しながら、「この状況で診療看護師としてどう判断するか」という視点が随所に散りばめられていました。単なる正誤問題であっても、その背景には臨床判断や患者対応のプロセスが求められており、まさに診療看護師ならではの試験内容であったと感じています。

そこで本記事では、午前共通問題の一部を再現し、1問ずつ解説を加えながら、出題の意図と求められている思考過程を整理しました。単なる問題の答え合わせではなく、「なぜその選択肢を選ぶのか」「他の選択肢はなぜ違うのか」といった臨床的な視点を重視してまとめています。

これから受験を控えている方にとっては具体的な試験対策として、すでに臨床で活躍されている方にとっては思考の整理として、本記事が診療看護師に求められる力を見つめ直す一助となれば幸いです。

問題1:疫学・研究

問題1 メタアナリシスについて正しいものはどれか。

  1. 同一の研究テーマに関する複数の研究結果を統合し,統計学的手法を用いて再解析することで,より信頼性の高い結論を導く方法である
  2. 単一の研究データに対して行う統計解析を指す
  3. 観察研究の結果を収集・分析し,疾病の原因や予防法,治療効果などの知見を得る研究手法である
  4. 特定の疾病を有する患者群と有さない群の過去の曝露歴を比較し,原因を検討する研究である
  5. 共通の特性を有する集団を一定期間追跡し,疾病の発生や健康状態の変化を比較・分析する研究である

解説

メタアナリシスとは、

複数の研究を統合して、統計的に再解析する手法

メタアナリシス - Wikipedia

Wikipediaより引用

かなりエビデンスレベルも上位のものとなっています。

選択肢を整理すると:

a:正しい。
メタアナリシスとは,同一の研究課題に関する複数の研究結果を統合し,統計学的に再解析する手法であり,サンプルサイズの増加により検出力が向上し,より信頼性の高いエビデンスを導くことが可能となる。エビデンスレベルではシステマティックレビューと並び最上位に位置付けられる。

b:誤り。
単一研究の解析はメタアナリシスではなく,通常の統計解析である。

c:誤り。
これは観察研究全般の説明であり,メタアナリシスの定義ではない。

d:誤り。
症例対照研究の説明である。

e:誤り。
コホート研究の説明である。

診療看護師に求められる視点

ここで問われているのは単なる用語暗記ではなく、

👉 「エビデンスの質を判断できるか」です。

診療看護師は、

  • ガイドラインを“使う側”ではなく

  • 批判的に評価して使う側

例えば、

  • RCT1本 vs メタアナリシス
    どちらが信頼できるか?

この判断が日常的に求められます。

👉 「論文を読めるNPかどうか」を問う問題でした


問題2:在宅・地域医療

訪問看護について正しいものはどれか。

  1. 訪問看護の利用料金は全国一律である
  2. 日常生活援助としての住宅の掃除は訪問看護の業務に含まれる
  3. 人工呼吸器装着患者の管理を行うことができる
  4. 医療保険と介護保険の両方が適用可能な場合は,医療保険が優先される
  5. 対象者は65歳以上に限られる

解説

a:誤り。
訪問看護の費用は診療報酬・介護報酬に基づく全国一律の単価であるが,利用者負担割合(1〜3割)や加算の有無により実際の支払額は異なるため,「全国一律」とは言えない。

b:誤り。
住宅の掃除などの日常生活援助は訪問介護(ホームヘルパー)の業務であり,訪問看護の業務には含まれない。

c:正しい。
訪問看護では,人工呼吸器管理,吸引,経管栄養管理などの医療的ケアを提供できる。

d:誤り。
医療保険と介護保険の双方が適用可能な場合は,原則として介護保険が優先される。

e:誤り。
訪問看護は年齢に関係なく利用可能であり,40歳未満でも医療保険で利用できる。

診療看護師に求められる視点

👉 「制度を理解したうえで医療を提供できるか」

診療看護師は、

  • 病院

  • 在宅

  • 施設

を横断して関わる存在です。

例えば、

  • 「この患者は医療保険?介護保険?」

  • 「訪問看護でどこまでできる?」

こうした判断ができないと、適切な医療につなげられません。

👉 医療+制度=NPの武器


問題3:倫理

膵臓癌と診断された患者への病状説明(インフォームド・コンセント)における対応として適切なのはどれか。

  1. 他の患者もいる共用スペースで説明する
  2. 「早期であったため問題はない」と断定的に説明する
  3. 「末期であり,これ以上できる治療はない」と一方的に伝える
  4. 「現在のご自身の体調や症状についてどのように感じていますか」と患者の認識を確認する
  5. 患者本人には説明せず,家族のみに説明する

解説

a:誤り。
病状説明はプライバシーに配慮した個室等で実施する必要がある。

b:誤り。
医学的事実に基づかない楽観的説明は,自己決定権の侵害につながる。

c:誤り。
一方的で絶望的な表現は不適切であり,治療選択肢や緩和ケアの提示を含めた説明が必要である。

d:正しい。
患者の理解度や受け止め方を確認するために,オープンクエスチョンで認識を把握することはインフォームド・コンセントの基本である。

e:誤り。
原則として患者本人への説明が優先される。家族のみに説明するのは不適切である(例外的に本人の意思がある場合を除く)。

診療看護師に求められる視点

👉 「説明する力」ではなく「対話する力」

この問題の本質は、

ICは“情報提供”ではなく“共有プロセス”

であること。

dの選択肢は、

  • 患者の理解度

  • 認識

  • 価値観

を引き出すための問いです。

診療看護師は、医師と患者の間に立つ翻訳者のような存在だからこそ、

👉 「患者の言葉を引き出せるか」

が非常に重要になります。


問題4:在宅・急変対応

在宅療養中の重症心身障害児(13トリソミー)。呼吸状態が不安定であり,入院中には気管切開が検討されていた。現在は胃瘻による経管栄養を行っているが,最近は注入前の胃内容残量が増加している。発熱,湿性咳嗽および痙攣発作の増加を認め,往診の依頼があった。
この時の対応として適切なのはどれか。

  1. 胃瘻チューブの交換を行う
  2. 直ちに在宅酸素療法を導入する
  3. 速やかに医療機関への入院を勧める
  4. レスパイト入院が可能な施設を手配する
  5. 自宅で経過観察とする

解説

本症例は

  • 発熱

  • 湿性咳嗽

  • 胃残増加(消化機能低下・誤嚥リスク)

  • 痙攣増加

を認めており,感染症(肺炎・誤嚥性肺炎など)や全身状態悪化が強く疑われる急性増悪状態である。

a:誤り。
胃瘻交換は適応外であり,急性期対応ではない。

b:誤り。
在宅酸素療法の導入は安定期に評価して行うものであり,急性増悪時の初期対応ではない

c:正しい。
全身状態不良であり,速やかな入院による精査・加療(抗菌薬投与,呼吸管理など)が必要である。

d:誤り。
レスパイトは介護負担軽減目的であり,急性期対応ではない。

e:誤り。
明らかな異常所見があり,経過観察は不適切である。

診療看護師に求められる視点

👉 「在宅でどこまで粘るか/どこで引くか」

これはNPにとって非常に重要な判断です。

在宅医療では、

  • 家族の希望

  • 患者の状態

  • 医療資源

を総合的に考えますが、

👉 「命に関わるラインは絶対に見逃さない」

この症例は明らかにレッドフラッグ。

👉 “在宅思考”と“急性期判断”の両立が求められる問題


問題5:医療連携

50歳代男性。診療所にて各種検査の結果,肺癌と診断された。手術および精密検査を含めた専門的治療を希望している。紹介先として適切な医療機関はどれか。2つ選べ。

a.ホスピス
b.一般診療所
c.特定機能病院
d.地域医療支援病院
e.高度救命救急センター

解説

本症例は肺癌と診断され,手術および精密検査を含む専門的治療を希望しているため,高度医療を提供可能な施設への紹介が必要である。

在宅医療・介護連携の推進

引用)厚生労働省 在宅医療に必要な連携を担う拠点の整備・運用について

a:誤り。
ホスピスは終末期の緩和ケアを目的とする施設であり,根治的治療は行わない。

b:誤り。
一般診療所では手術や高度な精査は困難である。

c:正しい。
特定機能病院は,高度医療・先進医療・臨床研究を担う中核病院であり,がん治療に適している。

d:正しい。
地域医療支援病院は,紹介患者に対する専門的医療の提供を役割とし,手術・精査が可能である。

e:誤り。
高度救命救急センターは重症救急患者の対応を目的とする施設であり,本症例のような計画的治療には適さない。

診療看護師に求められる視点

👉 「患者のニーズに合った医療資源を選べるか」

この問題はシンプルに見えて、

実は

  • 医療機関の役割理解

  • 地域連携

が問われています。

診療看護師は、

  • “診る人”であると同時に

  • “つなぐ人”

です。

👉 適切な紹介=医療の質そのもの

まとめ

今回の共通問題から見えてくるのは、

診療看護師に求められる4つの力

  1. エビデンスを読む力(問題1)

  2. 制度を理解する力(問題2)

  3. 対話する力(問題3)

  4. 臨床判断力(問題4)

  5. 医療連携の実践力(問題5)

つまり、

👉 「知識」だけではなく「その時にどうするか」

という行動レベルの内容が問われていました。


過去問について

今回紹介したのは共通問題から5問を抜粋したものです。

試験では、

  • より実践的な臨床問題

  • 「迷わせる選択肢」
    が多数出題されていました。

👉 「どこが問われるのか」を知ることが最大の対策です

現在、午前・午後問題の再現をまとめた資料を作成しています。

今後受験する人に役立てればと作成していますので興味がある方はnoteの【2025年度】診療看護師認定試験問題完全再現をぜひチェックしてみてください。

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