アセリオは15分で投与するのが望ましいとされています。
しかしこの理由に関して意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
今回はその理由について解説していきたいと思います。
はじめに
みなさん、疼痛時や発熱時にアセリオの投与を指示されたことはありませんか?
おそらく多くの人が経験あると思います。
このアセリオのパッケージに「15分で投与」と記載されています。
これは、通常の抗菌薬にあるような「15分以上かけて投与する」といった意味ではなく、
「15分で投与を終了する」ということです。
では、なぜアセリオは15分で投与をしなければならないのか…
意外と知らない人も多いのではと感じたので一緒に勉強していきましょう。
血中濃度がポイント
一言で今回の疑問の回答を述べると、
“15分という短時間で投与することによって、一気に血中濃度を上昇させる必要があるため” です。
これはアセリオという薬剤の特性にあります。
アセリオの薬理作用は、中枢神経を介して鎮痛効果が出現します。
血中濃度を急激に上昇させることで、
濃度勾配を利用して脳脊髄液中へ薬剤を移行させる必要があります。
この理由から、15分という短時間で投与して血中濃度を上昇させ、
脳脊髄液内まで薬剤を到達させることで鎮痛効果が出現します。
薬剤は体内に入った瞬間から代謝されていきますので、
15分以上かけて投与すると適切な血中濃度まで上昇しない可能性があり、
上記のような濃度勾配による脳脊髄液への流入量が減少して、
適切な薬理効果を得られない可能性があります。
また、15分未満で急速に投与すると血中濃度が必要以上に上昇し、
副作用が強く出現したり、腎臓や肝臓への負担が増大してしまうため注意が必要です。
ちなみに成人は原則以下の投与量で使用します。
- 疼痛時
300〜1000mg/回・1日最大4000mg - 発熱時
300〜500mg/回・1日最大1500mg
おわりに
最後までご覧いただきありがとうございました。
“アセリオ15分の謎”は解けたでしょうか。
濃度勾配を利用して薬剤を脊髄液まで到達させることを考えた天才に賞賛の嵐ですね。
励みになりますので質問や感想などあればお気軽にお聞かせください☺︎
コメント欄でお待ちしてます。
コメント
アセリオはとてもよく使う薬ですが、「15分で」投与を終了しなければならないということは今回この記事を読んで初めて知りました。普段の仕事の中で出てくる何気ない疑問を解決してもらえると、とても勉強になります。
これからも読ませて頂きます(^ ^)
コメントありがとうございます。
何気ない疑問に共感して頂けてとても嬉しいです。
これからもタメになる豆知識を投稿していければと思いますのでぜひまたいらしてください☺︎